本来、盗難防止に役立つはずのエンジンイモビライザーが、近年の自動車盗難被害において、全くと言っていいほど役に立たなくなってきています。
リレーアタック、CANインベーダーに続き、新たな手口による盗難被害が多発しています。
「ゲームボーイ」と呼ばれる端末を使用した手口で、解錠からエンジン始動まで1~2分で行われてしまいます。
今回は純正イモビライザーが無意味で、高級車泥棒の新兵器として恐れられているゲームボーイによる盗難手口や対策について紹介します。
車両盗難のゲームボーイとは
ゲームボーイとは、「キーエミュレーター」と呼ばれる本来スマートキーの紛失時など緊急時に使用する解錠ツールであり、車から発信されている信号を拾ってエンジンを始動させることが可能です。
また、メーカーが合鍵を作成する目的で使用されるのみで、市場に出回ると非常に危険な物です。
四角い端末で、画面と十字キー、5つのボタンがあり、1989年4月に任天堂から発売された携帯型ゲーム機「ゲームボーイ」にキーエミュレーターの形が似ていることから、ゲームボーイと呼ばれています。
欧州で2024年に発売されたモデルが1台3万ユーロで、日本円で約490万円で販売されてます。
つまり、購入可能であり、悪用禁止、違法行為の使用は禁止と注意書きされているが、裏を返せば、悪用可能ということになります。
車両盗難のゲームボーイによる盗難手口
ゲームボーイによる盗難手口は、車から発している信号を利用して、キー情報を引き出して、純正キーと同じように車体からコピーすることで、ドアを解錠したり、エンジンを始動することが可能です。
リレーアタックの場合、スマートキーからの微弱電波を拡幅させて行うため、スマートキーの電波が遮断されていれば盗難を防ぐことができます。
CANインベーダーの場合、フロントバンパー裏などのCAN信号にアクセルできる部分に接続し、ドアの解錠からエンジン始動を行うため、時間がかかります。
ゲームボーイの場合、早ければ1~2分で車が盗まれてしまいます。
ゲームボーイによる盗難防止対策
純正のセキュリティやCANインベーダー対策の盗難防止用品も無意味であり、ランドクルーザー300に採用されている純正の指紋認証システムも全く無意味です。
芸能人や国会議員の愛車が盗まれたことで話題になりましたが、おそらくゲームボーイによる盗難と予想されています。
社外品のカーセキュリティが唯一の対策
純正のCAN信号、イモビライザーと別の回路で盗難防止装置を作動させる社外品のカーセキュリティを取付けることが唯一の対策と考えられています。
加藤電機の「ホーネット」や「バイパー」シリーズ、ユピテルの「ゴルゴ」や「パンテーラ」シリーズなどで愛車を守る対策が有効です。
ランドクルーザー300専用バイパーセキュリティシステムで475,000円(取付け費用、税込)
レクサスLX570専用カーセキュリティシステムで360,000円(取付け費用、税込)
アルファード・ヴェルファイア専用カーセキュリティシステムで169,800円(取付け費用、税込)
純正イモビライザーに連動していますので、普段通りの使い方でスマートキーが使用可能で、特別な操作はいりません。
不正なアクセスやエンジン始動、ボンネットのこじ開け、レッカー移動による傾斜を検知します。
物理的な、ハンドルロックや、ホイールロックも有効ですが、破壊されてしまえば無意味になります。
まとめ
ゲームボーイは、キーエミュレーターであり、本来はメーカーが鍵の複製に使用したり緊急時の鍵開け対応に使用する端末です。
車からの信号を読み取るだけで、ドアの解錠やエンジン始動ができるため、最恐の車盗難手口です。
純正のセキュリティシステムは全く無意味であり、社外品のセキュリティシステムが唯一の対策です